HPAIワクチンがUSDAの条件付き承認を取得
Elizabeth Doughman. World Poultry, 2025年2月16日
商業用家禽に対する鳥インフルエンザのワクチン接種戦略を実施するかどうかは、米国において議論の的となっている。
ゾエティス社が製造した鶏用の鳥インフルエンザ不活化ワクチンが、2月14日に米国農務省(USDA)獣医生物学センター(CVB)から条件付き承認を受けた。
条件付きライセンスは、緊急事態、限られた市場、地域的な状況、その他の特別な事情に対応するために、一時的に有効とされる。ただし、このワクチンが商業用家禽に使用されるためには、最終的なUSDAの承認を受ける必要がある。
USDA動植物検査局(APHIS)によると、2022年から2025年にかけての高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の流行で、米国内の1億羽以上の家禽が殺処分された。
「2022年初頭に米国で新しいHPAI株が確認された際、当社の科学者たちはすぐに既存の鳥インフルエンザワクチンの改良に取り組み始めた」と、ゾエティス社のグローバル生物製剤研究開発担当上級副社長であるマヘシュ・クマール博士は述べた。
「当社は2001~2002年に東南アジアでの発生を受けて、HPAIワクチンの開発に初めて取り組んだ。今回のワクチンに対する迅速な対応は、動物のケアを向上させ、最終的に世界的な動物の健康課題に対する解決策を提供するという当社の使命を果たし続けている証拠だ。」
ゾエティス社が製造するHPAIワクチンの一部は、米国外の小規模市場で提供されている。
米国内で高まるHPAIワクチン接種への支持
これまでHPAIの制御は、主に感染した群れの淘汰とバイオセキュリティ対策の強化に依存してきた。しかし、流行が続く中で、ワクチン接種への支持が高まっている。
HPAIワクチンの開発を支持する団体には、全米七面鳥連盟(NTF)、全米鶏卵生産者連盟(UEP)、国際乳製品協会(IDFA)、全米酪農生産者連盟(NMPF)が含まれる。これら4つの団体の代表者は、最近就任した米国農務長官ブルック・ローリンズ氏に宛てて書簡を送り、懸念を伝えるとともに「今後の方針」について話し合うための会合を要請した。その要旨は次のとおり。
「本書簡をもって、USDAおよびその連邦パートナーが、H5Nxワクチンの開発支援を通じて、乳牛、七面鳥、採卵鶏におけるウイルスの影響を抑えるための新たな緊急性と準備態勢をもって対応することを要請する。USDAには、農業研究局(ARS)が主導する安全性と有効性に関する現場試験を早急に完了し、商業用家禽や乳牛におけるH5Nxに対する効果的なワクチンの評価を進めることを求める。また、各ワクチンに対する包括的なリスク評価を同時に実施することを要請する。承認されるワクチンは、現在および将来のH5Nx株に対して有効であり、農家や事業者にとって経済的に実行可能である必要がある。」