WOAH(国際獣疫事務局,OIE)は2023/02/13に,鳥インフルエンザと哺乳類に関する声明を発表しました。
詳しくはこちら。
https://www.woah.org/en/statement-on-avian-influenza-and-mammals/
【仮訳】
鳥インフルエンザの現在の状況が,国際社会に懸念を引き起こしています。2021年10月以降,世界のいくつかの地域で前例のない数の発生が報告されており,新しい地域に到達し,動物の健康とウェルフェアに壊滅的な影響を与えています。この疾病は,世界の食糧安全保障と家禽に依る人々の生活を危険にさらしています。それはまた,驚くべき割合で野鳥の死滅を引き起こし,海や陸の哺乳類を含む他の野生生物に影響を与えています。
鳥インフルエンザは,時折,人間を含む哺乳類に伝染することがあります。H5N1鳥インフルエンザの陸生および水生の哺乳動物における症例の報告数が増加し,家畜や野生動物の健康,生物多様性,そして公衆衛生への脅威となり得る可能性に対して,懸念が高まっています。
現在の状況は,H5N1 鳥インフルエンザが哺乳類によりよく適応し,人間や他の動物に溢れ出るリスクを浮き彫りにしています。さらに,ミンクなどの一部の哺乳類は,さまざまなインフルエンザウイルスの混合容器として機能する可能性があり,動物や人間により有害な新しい株や亜型が出現するリスクがあります。最近報告されたミンク農場の感染は,ひとつの懸念事項です。なぜなら,多数の哺乳動物が互いに接近して感染したとき,このリスクが悪化するからです。これらのウイルスの病原性と伝染性 (哺乳動物間を含む) をさらに調査するために,いくつかの研究が現在進行中です。
WOAH(OIE,国際獣疫事務局) は専門家のネットワークと協力して,動物と人間へのリスクを評価するために状況を注意深く監視しています。
WOAH(国際獣疫事務局,OIE)はメンバーに次のことを呼びかけます。
◎サーベイランス:家禽と野鳥の疾病監視を強化します。
◎防疫:家禽の飼育に厳格なバイオセキュリティ対策を実施することにより,病気の蔓延を防ぎます。特に,ミンク農場周辺のバイオセキュリティを強化して,ウイルスの侵入を防ぎます。
◎管理:疾病の蔓延を避けるために,感染しやすい家畜や家禽とその製品の移動を管理します。
◎防御:感染の疑いのある家禽,家畜や野生動物と密接に接触したり,それらを扱ったりする人間を保護します。特に死亡や発生の疑い例を調査する際には,個人用保護具 (PPE) を着用するなど,常に予防措置を講じる必要があります。
◎監視:影響を受けやすい家禽や家畜,および野生動物を監視します。野生動物の死亡率の異常な増加 (ダイオフ) を調査します。
◎報告:すべての種について,鳥インフルエンザの症例を WAHIS を通じて,国際基準に従って,WOAH(OIE)に報告します。タイムリーで透明性のある報告は,病気の状況に関する適切な知識を維持し,あらゆる種類の誤報や偽情報を防ぐための鍵です。
◎共有:公開されているデータベースで鳥インフルエンザウイルスの遺伝子配列を共有します。
WOAH(国際獣疫事務局,OIE)は,鳥インフルエンザに対するリスクを軽減するため,メンバーの支援に全力を尽くしています。WHO 世界保健機構,国連食糧農業機関 FAO,国連環境計画 UNEP と WOAH(OIE)の4者によるワンヘルス共同行動計画,GF-TADs(WOAHとFAOによる越境性動物疾病に対する国際的枠組み)のもとに,専門家のネットワークや公的および民間のパートナーと継続的に連携し,より多くの技術的な情報を迅速に提供していきます。
◎情報リンク
・鳥インフルエンザのポータルサイト
https://www.woah.org/en/disease/avian-influenza/
・鳥インフルエンザのグローバル状況報告(哺乳類の事例を含む)
https://www.woah.org/en/disease/avian-influenza/#ui-id-2
・鳥インフルエンザと野生動物:野鳥と共に働く人々のリスクマネジメント
・OIE 野生動物の健康の枠組み
・鳥インフルエンザに関するWOAH=FAOのジョイントネットワーク(OFFLU)のウェブサイト